David Sanborn(デヴィッド・サンボーン)『Run for Cover(1981年)』File0116

1980年代
martinより:
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5月12日、デヴィッド・サンボーン氏が前立腺がんによる合併症により78歳でこの世を去りました。まずは心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

ジャンルを超えた活躍、どこかできっと耳にしているはず

1975年にデビューし、その後もジャズというジャンルにこだわらず、ロック、ポップスなどへのセッションも多くこなし、闘病生活でありながらも来年までのライブも予定されていたそうです。

ボクは全く知らなかったのですが、幼少期に小児マヒを患いリハビリとして始めたのがサックスなんだそうです。ここまでの世界的プレイヤーとして活躍されたのはスゴいことですね。

正直ボク自身、サンボーン氏をメインにガッツリ聴き込んだということではありませんが、多くのアーティストとのセッションで良い演奏を聴かせてもらったと思います。スティーヴィー・ワンダー、デヴィッド・ボウイ、ポール・サイモン、ローリング・ストーンズ、リンダ・ロンシュタット、ジェームス・ブラウン、チャカ・カーン、エルトン・ジョン、カーリー・サイモン、ビリー・ジョエル、スティーリー・ダン、B.B.キング、トッド・ラングレン、ジェイムス・テイラー、マイケル・フランクス、イーグルス、エリック・クラプトン、J.D.サウザー、ケニー・ロギンス、ブルース・スプリングスティーンなどなど、挙げればきりがないほどです。

また1994年の缶コーヒージョージアのCMや山下達郎さんの『Dreaming Girl』をカバーしたりと、日本でも話題を振りまいていました。

これほどまでに幅広く活躍されていたのですから、洋楽を聴かれる方であればもちろん、おそらく知らぬ間に多くの方が耳にされていたかもしれませんね。

デヴィッド・サンボーンの活動では「DMS」がお気に入りです

個人的にジョージ・デュークとマーカス・ミラーが好きなので、時々「DMS」の動画なんかを見たりしていました。「DMS(Duke/Miller/Sanborn)」とは、ジョージ・デューク(Key)、マーカス・ミラー(Ba)、デヴィッド・サンボーン(Sax)の頭文字を取ったユニット名です。2011年には東京JAZZでもライブを披露されていましたのでご存じの方も多いかもしれません。

ではマーカス・ミラーがデヴィッド・サンボーンの1981年のアルバム「Voyeur」で楽曲提供した『Run for Cover』を2011年の東京JAZZと2015年のMontreux Jazzの2パターンでお届けします。

個人的に好きなのは80年代のアルバム

1979年の「Hideaway」のヒットをきっかけに、80年代は上記で紹介した「Voyeur(1981年)」、「As We Speak(1982年)」など、1年1枚ペースでリリース。ビルボードへのチャートイン、グラミー賞受賞など、輝かしい実績を残しています。AORやR&B色が出ている楽曲が多いので、個人的には好きなアルバムが多いです。

中でも1986年にはボブ・ジェームスとの連名でリリースした「Double Vision」というアルバムがあります。マーカス・ミラー、スティーヴ・ガッド、ポール・ジャクソンJr.、エリック・ゲイルに加え、ゲストボーカルとしてアル・ジャロウも参加。このアルバムは1年以上もHot200にチャートインするロングヒットとなりました。

そのアルバムの中に収録されている『More Than Friends』を、2019年8月のデンバーボタニックガーデンで行われたサマーコンサートで演奏している動画がありましたのでシェアします。マーカス・ミラーも参加しています。

伝説の『深町純&ニューヨーク・オールスターズ・ライヴ』にも参加

サンボーン氏に関わる余談になりますが、もう一つご紹介したいと思います。

知る人ぞ知る伝説の『深町純&ニューヨーク・オールスターズ・ライヴ』というアルバムがあります。1978年9月後楽園ホール及び郵便貯金小ホールで行なわれたライブを収録したアルバムで、参加ミュージシャンを見ればビックリな超豪華メンバーです。あえて参加アーティストを挙げてみます。

メインとなる深町純(key)をはじめ、ランディ・ブレッカー(tp)、デイヴィッド・サンボーン(sax)、マイケル・ブレッカー(sax)、スティーヴ・カーン(g)、リチャード・ティー(key)、アンソニー・ジャクソン(b)、スティーヴ・ガッド(ds)、マイク・マイニエリ(vib, perc)

ジャズに疎いボクでも聞いたことのあるミュージシャンばかりではないですか、といったホントにビックリのメンバーなんです。まさに主役級アーティストの集合体であり、この時代だからこそ実現したこの豪華さは最初で最後の奇跡のようなもんですね。多くのアーティストも絶賛しているこのライブアルバムはサブスクにもあるのでぜひ聴いてみてください。

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