Spandau Ballet(スパンダー・バレエ)『True(1983年)』File0120

1980年代

イントロが始まるとあの頃がフラッシュバックします

ボクはこの曲のイントロがかかるとどうしても頭の中に浮かび上がってくる光景があります。皆さんにもそんな曲はあるかと思いますがいかがでしょうか。

それはボクが学生時代に働いていたディスコ(バイト先)でのことです。ディスコというのは周期的にアップ(俗に言う当時のダンスタイム)とスロー(俗に言う当時のチークタイム)が交互に繰り返されます。そのスローに変わるときの1曲目にこの『True』がよくかかっていたからです。スローに落ちた途端、ホールで踊っていたお客さんが席に戻り、飲み物や食べ物のオーダーが一気に入ります。ホールでウエイターをやっていたボクらにとって大忙しになる時間帯でした。もう40年も前のことですが、『True』はそんな光景と音楽が混ざり合わさってボクの脳裏に刻み込まれており今更ながら懐かしくも思います。

この手のいろんなシーンごとの楽曲はやっぱり記憶に残ってますね。山下達郎さんの「COME ALONG」はちょうどアルバイトが終わった深夜1時頃、仲間とサーフィンをするために伊勢に向かうときの車中の定番アルバムでした。小林克也さんのDJから始まり、一発目の『BOMBER』が始まると眠気どころか一気にテンションが上ったものでした。

他に「匂い」もそうですね。懐かしい匂いから忘れていた過去へいきなり引き戻されるなんてこともあります。なのでいつもヒトの「五感」はスゴいな~って思います。そういう意味で「音楽」はヒトにとってすごく大切なものだといつも思っています。

ということで、まずはボクのその時の思い出の曲『True』をお届けします。曲自体もそうですが、ポンと「イントロ」が始まるとすごくドキッとするんですよね。

スパンダー・バレエが全世界的スターのきっかけとなったアルバム『True』

スパンダー・バレエ自体は1979年に結成され、1980年にデビュー。俗に言う「ニューロマンティック系」のアーティストとして活動していましたが、地元イギリスやUSAチャートに入ったのは1983年の3枚目のアルバム『True』からでした。ビルボードHot100では4位まで上昇。

このアルバムには先にご紹介したアルバムタイトルである『True』のほか、『Gold』、『Lifeline』『Communication』、『Pleasure』などがヒット。彼らの最大ヒットアルバムになっています。

ではアルバムの中からもう1曲、本来『True』以外では『Gold』が一番ヒットしたようなのですが、その中からあえてボクが仕事場(ディスコ)でよく耳にしていた『Lifeline』をお届けします。

4枚目のアルバム「Parade」も全英2位獲得

そして翌年の1984年にリリースされたアルバム「Parade」は全英で2位を獲得。全米では50位という結果でしたが、シングル『Only When You Leave(邦題:二人の絆)』は全英3位、ビルボードHot100では34位まで上昇。

では『Only When You Leave』を1985年のLIVE AIDからお届けしたいと思います。

残念ながら1990年に解散

残念ながら1984年以降大きなヒットを出すことができず解散となりました。2009年には再結成されましたが、2019年には休止となりました。

とはいえ、解散後はP.M.ドーンが『True』をサンプリングした「Set Adrift On Memory Bliss」という曲をヒットさせています。今でも『True』はさまざまな80年代洋楽特集などでピックアップされ時々耳にします。

彼らは一発屋ではありませんが、一般的に「一発屋」といった表現をされる場合があります。でもそういったアーティストが発表したうちの1曲が何十年経っても流れてくるということは、スゴい功績を残した、という ”証” ではないでしょうか。残した曲数や活躍した年月ではなく、いかに「人の心に残り続けている曲があるか」がそのアーティストの功績だとあらためて感じさせられます。

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