UNISONAIR(ユニゾネア)『IN MY DREAM(1990年)』File0146

1990年代

UNISONAIR(ユニゾネア)って?

ボクは個人的に好きで聴いていたユニットなのですが、おそらくご存知な方が少ないのではないかと思いますので、ボクの知る範囲と調べた情報でまとめてみます。

ユニゾネアは庄野賢一さんとジェフリー・ジェムズさんとで1988年に結成され、1989年に日本コロムビアよりデビューしました。おそらくユニットとしては1992年までの活動でアルバムはベスト盤を含め5枚リリースされているのではないかと思います。

ボクがこのユニットをズッと聴いていたのは、その80~90年代のダンスミュージックテイストがタップリだったからです。楽曲は庄野賢一さんが担当されており、極論を言えば ”ココまでやってええんかい” ぐらいのヤバいオマージュ曲もあるのですが、海外の音をオマージュするにしてもすごく完成度が高いなぁ~、と思っていました。

一方、ジェフリー・ジェムズさんについては90年代前後にラジオ(多分「KISS FM」)でめちゃベタな関西弁満載のパーソナリティーを勤められていたころよく聴いたものです。ちなみにジェフリーさんは神戸生まれのハーフなんだそうです。

80~90年代のファンク、ダンスミュージック好きにはたまらないサウンド

先ほども言いましたが、80~90年代のファンク、ダンスミュージックを聴いてきたボクにとってはこの庄野賢一さんのオマージュのレベルがホントに半端ないと感じます。楽曲を聴いているとナイトフライト、イマジネーション、GUY、アルBシュア、ベビーフェイス、ジャム&ルイスなどなどを彷彿させる「あ~っ、コレはあの曲やな~」と上げればきりがないほどその時代の音をサッと取り入れて楽曲を仕上げる手法はまさに神レベルで、個人的に思うのは当時ウケなかったのが不思議なぐらいです。時代の先を進みすぎたのか、もしくはファンクに寄り過ぎていたのかはわかりませんが、ユニゾネアの楽曲は80~90年代のエレクトリックファンクやニュージャックスイングの宝庫です。

今回のピックアップに代表曲をどうするかを非常に迷ったのですが、ベストアルバムのトップであり、1990年リリースのアルバム「SECRET AFFAIR」のトップでもあるので『IN MY DREAM』にしました。まさにジャム&ルイスが1980年代後半に手掛けたヒューマン・リーグやS.O.S.Band、ニュー・エディションなどのテイストが詰まった感じの楽曲で「1980年代後半の洋楽の集大成みたいな曲」といったところでしょうか。

ジャム&ルイスが気になる方はぜひ下記をチェックしてみてくださいね。

SMAPの『がんばりましょう』は庄野賢一さん作曲

ユニゾネアと聞いてもわからないと思いますが、メンバーの庄野賢一さんはいろいろと楽曲提供をされています。おそらくいちばん有名な楽曲をひとつ上げるとすればSMAPの1994年9月リリースの『がんばりましょう』なんではないでしょうか。

上記でも少し触れましたがこの楽曲も海外テイスト満載で、アメリカのファンクグループ “Niteflyte(ナイトフライト)” の1981年の『You Are』という曲のサビをそのまま持ってきた感じです。初めて聴く方はソックリなのでちょっとビックリされるかも!?

ちなみにその2つ前の1994年3月リリースのSMAPのシングル『 HeyHeyおおきに毎度あり』の作曲も庄野賢一さんです。このあたりからSMAPが国民的スターに向かって躍進しだしたんですね。そういう意味では庄野賢一さんあってのSMAPの飛躍だったのかもしれませんね。

まずはベスト盤の「Shake!Shake!Shake!」を聴いてみてください

まずはボクのフェイバリットアルバムでもある1992年リリースのベスト盤「Shake!Shake!Shake!」を聴いてほしいです。コレを聴けば90年代前後のジャパニーズダンス系サウンドがおおよそわかるのではないかと思います。この時代にココまで洋楽に寄せて制作されているのは意外に少ないと思うので、80~90年代のファンクやニュージャックスイングのお好きな方にはオススメの1枚です。

ジャパニーズ・ダンスミュージックが増えた80年代後半

80年代中頃の海外はジャム&ルイス、ベビーフェイスなどがプロデュースする楽曲がヒットチャートを席巻しました。そんな影響を受けた日本のアーティストも多かったのですが、ボクのイメージではそこまで表立って流行ったという感覚がありません。

90年前後でボクの聴いていた範疇だと今回ご紹介している「UNISONAIR(ユニゾネア)」をはじめ、m.c.A・Tさん(DA PUMPのプロデュースで有名)、JADOES(ジャドーズ)、米倉利紀さん、横山輝一さんなどは、できる限り海外の楽曲にガッツリ寄せようとした感じのサウンドでした。ただリスナーにウケていたダンスミュージックは久保田利伸(1986年デビュー)さんなどのSOUL、FUNK系や小室哲哉さん(TM NETWORKのデビューは1984年)のEURO、HOUSE、RAVE系で、いずれにしてもそれらジャンルのエッセンスを取り入れたPOPでキャッチーな楽曲でした。なのでそのへんの差でUNISONAIRなどはまだ一般ウケする感じではなかったのかなぁ~、というのがボクの印象です。

また90年代半ばになると女性ボーカルが一気に躍進した印象もあります。エイベックス系の小室哲哉さんプロデュースの篠原涼子さんやTRF、浜崎あゆみさんはもちろん、ビーイング系のZARDや大黒摩季さんは外せませんね。さらに90年代後半には宇多田ヒカルさん、MISIAさん、小柳ゆきさんなど、J-Soul系女性シンガーが登場しミュージックシーンを盛り上げました。とにかく90年代はエイベックス系とビーイング系アーティストが日本のミュージックシーンを席巻していた印象が強いですね。

この時代のアーティストを順次ご紹介してみたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました