D TRAIN『Keep On(1982年)』File0112

1980年代

80年代前半のダンスフロアでパワープレイされた「D TRAIN」

80年代前半のダンスチャートでもチャートインし、ディスコでもパワープレイされていた「D TRAIN」の曲をピックアップします。名前を知らなくても80年代前半にディスコ通いされた方なら一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。

とはいえ実は、D TRAINについてはあまり情報がなく、アメリカNYのデュオグループという程度しかわかりません。ごめんなさい・・・。

なので今回は少し話題を広げてお届けしたいと思います。

『Choo Choo TRAIN』のイントロはこの曲のサンプリング

おそらく音楽好きの方ならほぼ耳にしたことがある『Choo Choo TRAIN』という曲。実はこの曲のイントロにはD TRAINの『Keep On』という曲の一部がサンプリングされています。D TRAINが好きだったボクにとっては、はじめて『Choo Choo TRAIN』を聴いたときはちょっとビックリしました。

この『Choo Choo TRAIN』について少し語ってみたいと思います。

今では「EXILE」が2003年にカバーしたことで有名ですが、元々は1991年にリリースされた「ZOO」というグループの楽曲です。作詞は佐藤ありすさん、作曲は中西圭三さんで、JR東日本のCMとして制作されました。

中西圭三さんは『WOMAN』という曲がCMとのタイアップもありヒット。『Choo Choo TRAIN』以外にも多くのアーティストへ楽曲提供をされており、2023年の紅白歌合戦に久々に出場したブラックビスケッツの『Timing』も中西圭三さんの作曲です。

ではまずその『Choo Choo TRAIN』でサンプリングされている『Keep On』という曲を聴いてみてください。ちょうど4:36からサンプリングされた部分が始まります。

ちなみにこのイントロの際の数名で身体をグルグル回すダンスは、ZOOが正面から見て時計回り、EXILEはその反対の反時計回りなんだそうです。

「DADA LMD」という番組が「LDH」のルーツ

「DADA LMD」といってもおそらく知ってる方は少ないかと思います。幾度か番組名は変わりましたが、30年以上も前の1989~1992年に深夜枠で放送されていたダンスコンテスト番組です。収録場所は六本木マハラジャを始め、都内のディスコやクラブがメインでした。RIKACOさんと恵俊彰さんがナビゲーターをつとめ、一般の方々がダンスを競い合いチャンピオンを決め、チャンピオンはレギュラーダンサーとして出演するようになるといった内容でした。ちょうどボビー・ブラウンやMCハマーがヒットした1988~1990年にリンクするようにダンスブームとなり、「ボビ男やハマ男」と呼ばれる若者が増えた時期ですね。リアルこの番組を見ていた自分にとってはとても懐かしく感じます。

そしてそのレギュラーダンサーのチーム名はタイトルになっている「LMD(Love Music Dancersの略)」で、マイケルを彷彿させるTACOさんがリーダーとしたチームに徐々にメンバーが増え、のちに「ZOO」として本格的なダンス&ボーカルグループとしてメジャーデビューすることになります。

「ZOO」は1989~1995年に活動していましたが、実はその中にLDH創業者でもあり、初期EXILEのリーダーでもあるHIROさんがメンバーとして所属していました。先ほどもお話しましたJR東日本のCMになったZOOのヒット曲『Choo Choo TRAIN(1991年)』をHIROさんがEXILE時代にカバーしたことによりさらに認知度が高まったわけです。その1991年のCMがYoutubeにあったのでシェアしてみました。

つまりさかのぼってみると「ZOO」が「LDH」のルーツであり、もっと言えば、「DADA LMD」という番組がなければ「LDH」自体が存在しなかったかも知れないわけです。その「DADA LMD]がYoutubeに上がってました。この動画では、10:55、19:52、32:50などから若かりしHIROさんが見れます。ダンスにご興味のある方はぜひご覧ください。

80年代後半以降、オーディション企画から多くのアーティストが誕生

これがきっかけかどうかは定かではありませんが、80年代後半以降のバラエティ番組ではこの手のオーディション形式の企画コーナーが多く設けられていたように思います。

例えば、日テレ系「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」からは1990年に”ダンス甲子園”という企画から元タレントである政治家である「山本太郎さん」をはじめ、テレビ東京の「ASAYAN」からは1997年「モーニング娘。」、1998年「鈴木亜美さん」、2001年には「CHEMISTRY」などがデビューと、2000年代前半を大いに盛り上げた方々が多くおられます。

脱線しすぎたので話を戻し、「D TRAIN」のサウンドについて

「D TRAIN」には80年代前半のダンスミュージックの典型と言ってもいいのではないかと思うような楽曲が多くあります。ボクが思う特徴としては、やはり「シンセベース」が主体となっているグルーブ感でしょうか。この時代を席巻したダンスミュージックグループのダズ・バンド、SOSバンド、DAYTON、ミッドナイト・スターなどもシンセベースがふんだんに使われています。

ではD TRAINの代表的なヒット曲である『You’re the One for Me』と『Music』に加え、『The Shadow of Your Smile』をシェアさせていただきます。

エピローグ

いかがでしたでしょうか。

今回は日本のダンスミュージックへの影響なんかも交えてお届けしました。昨今はSNSなどの普及で日本発の音楽が海外へ波及していくことも多くなりましたが、日本のミュージックシーンの80~90年代はかなり海外の影響を受けています。

また周期的にもちょうど80年代前半から40年近く経つこともあってか、現在のミュージックシーンにも80~90年代テイストがふんだんに散りばめられており、その影響が多く残っているのだと自分自身もあらためて感じました。

アナログレコードがブームになっているように、おそらくZ世代の方々にもきっとこの時代の音楽は受け入れられやすいんじゃないかと思っています。今後もこの時代の音楽を頑張ってご紹介していきたいと思います。

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