70年代後半はユーミンこと松任谷由実さん、中島みゆきさん、八神純子さんなど、現在でも活躍されている多くの女性アーティストがデビューしました。今回は1975年のポプコン(八神純子さんの回を参照ください。)で特別賞を受賞し、1977年11月『迷い道』でデビューした渡辺真知子さんをご紹介します。今年でデビュー45周年を迎えられます。
シンガーソングライターなのにテレビに出ると歌謡曲になりがちな時代
この時代は「シンガーソングライターはテレビに出ない」と言った風潮がありました。テレビの音楽番組と言えば「歌謡曲」中心のものが多く、番組に出てしまうと楽曲自体が「歌謡曲」と認知される傾向があり、シンガーソングライター自身が同じように扱われることを嫌がったからではないかと思います。「歌謡曲」を調べてみると「昭和時代に流行した日本のポピュラー音楽の総称(Wikipediaより)」だそうです。個人的には「歌謡曲」は大好きですし、今となっては日本が誇る一つの文化ですよね。
その時代に渡辺真知子さんはデビュー当時から歌謡番組などにも積極的に出演されており、楽曲のヒット、知名度ともに一気に加速したと思います。ただ八神純子さんのように楽器を演奏しながらではなかったため、どうしても歌謡曲っぽく捉えられたのかなとボクは思っています。真知子さんは楽曲の大半を作詞作曲されていますし、声楽科出身ということもあり、歌唱力バツグンのれっきとしたシンガーソングライターなんです。
まずは真知子さんの初期の楽曲で、2ndアルバム『フォグ・ランプ(1978年)』にも収録されている、ボクが好きな3rdシングル『ブルー(1978年)』をお聴きください。「歌謡プレミアム」っていう番組に出演されたときのものです。
CMソングはポップス色を全面に
7thシングル『唇よ、熱く君を語れ(1980年)』はこれまで以上にポップス色が強くなった楽曲だと思います。この曲は1980年春のカネボウのCMソングに採用され、お茶の間でもガンガン聴こえてきました。
この曲はデビューからヒットを出し続けていた真知子さんが一時行き詰まったと言われている時期に制作した5thアルバム『Libra』に収録されており、アルバム自体もこれまで以上にポップな仕上がりになっています。
今回は2005年に放映された番組で、『唇よ、熱く君を語れ』を松田聖子さんとデュエットしているMVがありましたのでシェアしてみました。
前述したように真知子さんは楽曲はほとんどをご自身で作詞作曲されているのですが、デビュー当時から一貫してアレンジをされてきた船山基紀さんの功績もかなり大きいと思います。船山基紀さんは沢田研二さんの『勝手にしやがれ』をはじめ、数多くのアイドルやミュージシャンのアレンジをされています。特にジャニーズの楽曲を多くやられているのはボクも知りませんでした。
稲垣潤一さんとのヒットソングメドレー
では最後に稲垣潤一さんとお互いのヒットソングを歌っているMVがありますのでご覧ください。稲垣潤一さんは「男と女シリーズ(2008~2015年)」を5枚も出されているので女性シンガーとのコラボはバッチリですね。でも真知子さんはまだアルバムには参加されていないようなので次回に期待したいと思います。
- かもめが翔んだ日
- クリスマスキャロルの頃には
- ブルー
- ドラマティック・レイン
- 唇よ、熱く君を語れ